ゆゆ式原作に見るトイレ描写
ゆゆ式とトイレ
ゆゆ式とトイレの関係については説明を省く。詳細は以下の記事を参照されたし。
第一部 ゆゆ式トイレ分布 -Twitterの視点から- - 興味本位
第二部 ゆゆ式とトイレとふみお - 興味本位
第三部 この記事
原作での出現頻度
本来であれば最初に原作にあたる必要があったのかもしれない。表1は、既刊7巻からトイレ描写を抜き出した結果を表している。
名前\巻数 | 第1巻 | 第2巻 | 第3巻 | 第4巻 | 第5巻 | 第6巻 | 第7巻 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
唯 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 4 |
ゆずこ | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0 | 1 | 8 |
縁 | 0 | 0 | 1 | 0[1] | 3 | 0 | 1[1] | 5[2] |
相川さん | 0 | 0[1] | 1 | 1[1] | 0 | 1[1] | 0 | 3[3] |
ふみお | 0 | 0 | 0 | 0[1] | 0 | 0 | 0 | 0[1] |
佳 | 0 | 0 | 1 | 0[1] | 0 | 0 | 2[1] | 3[2] |
合計 | 2 | 1[1] | 5 | 3[4] | 6 | 1[1] | 5[2] | 23[8] |
トータルの回数はダントツでゆずこが多く、後に縁と唯が続く。
今回は同時に『トイレ疑惑』の数もカウントした。これは、どうしてもトイレに行かないふみおに関する記事(ゆゆ式とトイレとふみお - 興味本位)でも触れたように、 トイレにいく前(or 行ったあと)を予感させられるシーンである。
ここでは特に多い4巻に焦点を当てたい。
隠れトイレ巻としてのゆゆ式4巻
4巻は隠れたトイレ巻であるといえる。その場面を列挙すると以下のようになる。
- 4巻-p.77:ふみお
- 『おまんじゅうこわい』のシーン
- 4巻-p.98:縁
- 廊下にて、ひとりでどこかに向かっているシーン
- 4巻-p.98:佳
- 同ページの縁を後ろから追うシーン
- 4巻-p.99:相川さん
- 2人が縁のような子供がほしいという会話をしている時に『ただいまー』と帰ってくるシーン
ここまででゆゆ式でトイレを描いてきた作者が、さあここでそのお前のトイレ感を試してやろうという気概を感じずにはいられない。 全体で4つもの疑惑シーン、そして何を隠そうその中の1シーンとして、あのふみおのシーン*1もぶち込まれている。
要は、単独行動をしている各人がトイレに向かう途中なのか、終えて帰る途中なのか、その『ただいま』は致し終えたあとの『ただいま』なのか否かを察しろということである。 直接的な表現を省略し、結果や次の行動からその真意を読み取らねばならない。
おわりに
くだらない妄言をはいてきたが、やはりゆゆ式にとってのトイレとは切っても切り離せない存在なのかもしれない。
場面変わりにも使えるので便利なんですよね。 *2
これはアニメ版の監督の言であるが、原作でもそのような使われ方をしていることも多い。
先で述べたように、ゆずこがトイレに行く回数がダントツに多い。この事実は、実は彼女の行動特性ともマッチしているのではないか。
ネタの発信源になることが多いゆずこは、トイレに行くときやトイレから戻るそのシーンにネタを載せてくることがある。わかりやすい例は、『日常的な事を演出で死亡フラグぽくできます』でおなじみ、図1のシーンである。 まさにゆずこ自身も、ネタの表現者としてトイレを場面転換にうまく利用しているのではないだろうか。
もしかしたら、溢れんばかりのネタを披露したい気持ちが先行したがゆえに、本当は行く気もないトイレにホクホク顔で向かったゆずこもいたかもしれない。 そして、ひょっとしたら唯と縁は、そのことに薄々気が付いていて、唯『今回は何系でくるかなあ』、縁「ねー」といった会話がなされているのかもしれない。
そんなことを考えながら見るゆゆ式とトイレがあっても良いかもしれない。
*2:総力特集! アニメ『ゆゆ式』(7)――かおり(監督)&田畑壽之(キャラクターデザイン・総作画監督)インタビュー「すぐ相談できる環境が『ゆゆ式』を支えた」(第1回) http://anifav.com/special/20130920_2017.htmlより引用.2015年12月9日現在,サイトは既に閉鎖されているが同内容はBD-BOXのブックレットにも掲載されている.